こんにちは、ぷらいむです。
突然ですが、皆さんはYouTubeでこのような広告を目にしたことはありますか?
「メルカリでAirPodsを転売すると利益が出る」という内容のYouTube広告が、高頻度で出現しているのを目にしたことはないでしょうか。
一見怪しそうに見えるこの広告ですが、今回はこの広告の内容について調査していきます。
画像やスクリーンショット等のコンテンツは、すべて https://www.kazukun-blog.com/ またはその関連コンテンツ から引用させていただきました。
昨年の秋ごろ、この広告に出演している森谷和正さん本人を名乗る方から、記事の削除依頼のメールが届きましたため、一時的に記事を非公開にしておりました。しかしながら、送信元のアドレスが捨てメアドだったことや、削除に肯定的な態度で本人確認を求めるメールを返信したにも関わらず未だに応答がないことから、本日を以って再公開させていただくこととしました。
今後同じようなメールが届いた際には、再度非公開を検討いたします。
「AirPods転売」とはどのような広告なのか
問題の広告は、上記の動画です。
この動画の内容を要約すると、
- AirPodsをメルカリでそのまま転売するだけで2万円の利益が得られる
- AirPods以外にもメルカリ転売で利益が出る商品がたくさんある
- 初心者でも簡単にメルカリ転売ができるようマニュアル動画を作成した
- 来月からはマニュアルは有料になってしまうため、今受け取ってほしい
- この動画が終わると申し込めなくなってしまう
いかがでしょうか。この文章だけを見ても、行動を急かすような物言いが鼻につきます。
この動画を投稿、また動画に出演しているのは、森谷和正さんです。YouTube上でのアカウント名は「かず(元:かず【億稼ぐ大学生】)」となっています。
そして、この動画で紹介されているのが「物販ONE」なるグループです。森谷さんはこのグループのトップを努めているようです。
今回は、主に以上の2つに関して徹底調査していきます。
最初に結論から
このようなブログ記事、よく最後まで読ませるために結論を書かずにダラダラと文章を繋げていることが多いので、結論から先に書いておきます。
これは、「情報商材・スクールを売るための動画広告」です。この動画で発信されている内容は、必ずしも正しいとは言えません。
「LINEでノウハウを無料で伝授」とありますが、LINEや後述のメルマガへの登録後、スクールへの入会を勧誘するようなシステムが組まれています。つまり、あくまでメインは情報商材の広告です。
「このノウハウを使えば自分でも簡単にお金持ちになれる…!?」と思っていた方は、残念ですがこのあたりで諦めておくのが吉でしょう。情報商材は高額で、もしテクニックをある程度身につけられたとしても、その商材のもとを取ることができるとは限りません(基本的にうまい話はどこにも存在しない、ということを頭の片隅に常に置いておきましょう)。
納得できた方はここでブラウザバックして頂いてもかまいません。
では、調査の過程を以下で紹介していきます。
広告のURLにアクセスする
では、どのようなものかを検証するため、広告のURLにアクセスします。
遷移先がこちらです。このページから得られる情報をご紹介します。
森谷和正さんについて
森谷和正さんのプロフィールが掲載されていました。
慶應大学出身で、それなりの実績があるように見えます。
会社の名前は株式会社Smart Lifeで、一応検索してみると実在する会社であるようでした。
メルマガの登録フォーム
メルマガの登録フォームがありました。メルマガの内容に関しても、今回は捨てメアドサービスを使って検証していきます。
LINE登録について
ページ内でメルマガ以上に登録を求められたのがLINEアカウントでした。調べてみるとLINE公式アカウントのようでした。のちほど登録して調査します。
メルマガに登録しよう
先ほどお見せしたメルマガに登録すると、すぐに1つ目のメールが届いていました。
本文中には複数のリンクが含まれていたため、これも確認していきます。
リンク① LINE限定動画(マニュアル)
1つ目のリンクはLINE公式アカウントでした。このLINEに登録することによって、限定のマニュアル動画が送られてくるのだそうです。
調査してみると、このLINEアカウントは先ほどのページで登録を勧められたアカウントと同一のものでした。前述のとおり、こちらのLINEには後ほど登録してみます。
リンク② 森谷和正さんの生い立ちについての動画
2つ目のリンクには、森谷和正さんがいかにして稼げるようになったか、幼少期・大学生時代はどうしていたかといった内容が語られた動画が添付されていました。内容を簡略化してご紹介すると、「以前は冴えない生活を送っていたが、この副業が成功した」というものでした。なんというか、ありがちなエピソードですが……。
リンク③ セミナーへの参加リンク
3つ目のリンク先には、セミナーへの参加方法が記載されていました。LINEで申し込みしておくと、所定の時刻にリンクが送られてくるとのこと。
参加料金は通常は10000円程度するものの、初回限定で無料にするとのことでした。セミナーについても、後ほど参加して検証してみます。
LINEに登録しよう
先述の通り、メルマガで送信された、もしくは広告からの遷移先に記載されていたLINE公式アカウントに登録してみました。
このLINE公式アカウントでは「Lステップ」なる自動化ツールが使用されているらしく、送られてくるリンクはすべてLステップによる短縮リンクでした。
現在は別の自動化システム「UTAGE」を使用していることもあるようです。
登録後、すぐに1つ目のメッセージが送信されてきました。リンク先には、動画内でも言及されていた「マニュアル動画」が添付されていました。内容をまとめると以下の通りです。
- いろいろな商品をメルカリで高額転売できる
- はじめてでもすぐに利益を上げやすい
- この動画もいいけどセミナーに参加してほしい
- セミナーには100人までしか参加できないので早く申し込んでほしい
とのことでした。
なるほど、やはりセミナーが大事なんですね。初回無料との事で、参加してみたいと思います。
その後のLINEやメルマガの内容によると、次のセミナーはちょうど翌日の21時からとのことなので、ひとまず1日待ってみます。
セミナーに参加しよう
翌日の夜、少し遅れてセミナーのリンクにアクセスしました。そのスクリーンショットは以下のようなものとなっていますが…
ここで皆さんお待ちかね、情報商材のご登場です。
その前に、このライブ映像には不思議な点がありました。
右上の人数表示に注目してください。「100人」が表示されていますよね?
この「100人」の表示ですが、消えることなく常に「100人」を保ち続けたまま表示されています。
セミナーの最大参加人数は100人のためここまでは一応辻褄は合うのですが、ここで別の端末で同時に入ってみると、あら不思議。人数表示が増えないんですよ。
ということは、人数表示がこのライブ映像の配信ソースに組み込まれている、ということになります。100人いてもいなくても、右上に表示される人数は「100人」です。つまり、100人いるというのは嘘だったのです。
商材の価格です。おおよそ60000円。額面は大きいですが、これを高いとみるか安いとみるか。
もちろんこのゼミの後には、40万円程度の高額スクールへの勧誘を進めてくるのかと思われますが…
本当にライブしてるの?
このあたりで、私はある一つの疑問を抱きました。
「このライブ、本当にリアルタイムで配信しているのだろうか?」
映像にたまにラグが生じたり、別端末で入室しても映像は同期されていたりと、ライブであるようにも見えるでしょう。
しかし、本当にリアルタイムで撮影しているのでしょうか?
元々撮っておいた動画を時間に合わせて流しているだけではないのでしょうか?
というわけで、一度開発者ツールを覗いてみましょう。
どうやらvimeoからのライブ配信のようです。タイトルをvimeoで検索し、そのライブ配信者のページに飛んでみると…
出典:https://vimeo.com/user198061550
今までに実施したライブが一覧で表示されました。これを1つ1つ見ていくと、全く同じ動画が表示されました。ライブ配信であるにもかかわらず寸分も違わない映像が出てくるとは、どういうことなのでしょうか……?
このことから、このライブ配信はリアルタイムでの撮影が行われているわけではなく、あらかじめ撮影したものを垂れ流しているだけと判断せざるを得ません。配信内コメントに返信していく様子も覗えましたが、このような仕組みならリアルタイムでのコメントなど届いているはずもありません。
さらに、Vimeoによるライブ配信には視聴人数の制限、また視聴者数の増加によるサーバーダウンがほとんどありえません。また、このライブ配信一つ一つの視聴者数は、vimeoによるとすべて1桁台でした。にもかかわらず、セミナーの参加人数は100人、あるいは100人以上いると案内されています。
こういったことから、このライブ放送にどれだけの嘘が詰め込まれているかがわかります。
これだけの嘘の積み重ねの上に提示される情報商材の広告を、あなたは信用できますか?
この情報商材を、買ってみたいとは思いますか?
まとめ ~結局このYouTube広告は何だったのか?~
一連の流れをまとめると、最初に挙げたYouTube広告は情報商材の販促であり、消費者を騙しかねないような演出を使ってアピールすることを試みる、悪質な広告であるといえます。
広告への信頼ができない以上、そのコンテンツを信じることもなかなか難しいというところです。
そもそも情報商材を購入したからと言って、必ずしもうまいこと物販で稼げるようになるとは限りません。目先の成果に惑わされないよう、ネットリテラシーを持って行動するようにしましょう。目がくらむような広告を見かけたら、複数の情報源から情報を収集して、情報の真偽を判断することをおすすめします。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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